「機嫌いいな」
デスクで何やら作業しているフラッシュに、ベッドに寝そべりながら声をかける。
「別に、普段からこんなもんだろう」
「昨日だったら追い出されたぞ」
「そりゃあてめえのタイミングが悪いんだ」
「だから昨日は機嫌悪くて今日は機嫌いいんだろ」
「昨日はタイミングが悪くて今日はいつも通りだ」
黙ってねえとまた追い出すぞ、と言われ一旦口を閉じる。
だが長い付き合いだ。本気で言っているかどうかくらいは大体分かる。今のは本気じゃない。
「なあ、何やってんだ」
「私用だ」
「私用じゃわかんねえよ。また写真の整理か?」
「あーそうそう整理整理」
上体を起こしてデスクの上を覗き込もうとするが、その前にフラッシュが振り返って見えなくなった。
「容赦はないが的確な指導、ねえ」
ちゃんと『クイックマン様』してんじゃねえか、と背もたれに片腕を引っかけてからかうように笑われる。
しかし何の事だかさっぱりわからない。
「なんの話だ」
「いやいや、こっちの話だ」
「こっちってどっちだ」
こっちはこっちだ、と言ってフラッシュは笑った。
機嫌がいいならまあいいか。
クイックはそう思い、もう一度ベッドに寝転んだ。