ラボからエアーマンとバブルマンを追い出して、ワイリーは頭を抱えた。
自らがゼロから作りだした最初の完全自立型ロボット。当時の知識を全て投じて作ったCPUは、今やポンコツになっていた。

こうやっている間にもメモリの破損が進んでいる。メモリはメタルマンの生きた証であり、完全に破損が進んだ場合、それはロボットの死を意味していた。


ワイリーは抱えた手の隙間からそっと右を見た。
乱雑な机の一角、少しだけ片づけられた空間に思考パターンや基本行動、知識などを書き込み終えた電子頭脳がおいてある。
バブルマンの次に完成する予定の機体に使うものだった。

メモリを引き継いでも、行動を決定するプログラミングは異なる。同じ記憶を持つ別人が生まれるようなものだ。

融通が効かないことが多かった。熱しすぎて濃くなったコーヒーを飲まされたことも一度や二度ではない。


今度は左を見る。
ベッドで横たわるメタルマンを見ていると、基地で一人研究を続けていたころを思い出す。
初めてメタルマンが目を開けて言葉を発した時は年甲斐もなく喜んだものだった。





メモリはメタルマンの生きた証


悩んでいる暇はない。